第4回:初心者向けのシンプルな投資方法
投資は、追求すればどこまでも学ぶことの多いテーマです。
テレビに出るようなアナリストでも、予想がバラバラです。
つまり、予想を外しているアナリストも多いということです。
だから、「投資は難しい」というイメージを持ってしまってしまうかもしれません。
投資は、リスクを抑えながら手軽に始めることもできます。
2024年から、NISAの利便性が高まります。
投資に初挑戦する方も増えるのではないかと思います。
そこで、投資初心者の方が、始めるにあたっての心理的なハードルを下げるための情報を書いていきたいと思います。
結論として、初心者向けのシンプルな投資方法は、下記のとおりです。
・「良い金融商品を購入して放置する」もしくは、「良い金融商品を継続的に積み立て購入する」
・良い金融商品を、5~10種類程度選んで分散する
投資を始める前に知っておきたい前提
「投資は、失敗すると大きな損害を受ける」
そんなイメージを持っている方は多いのないでしょうか?
実際には、「投資は、リスクコントロールがしやすい」です。
損害を小さく使用と思えば、限りなく小さくできます。
その代わり、期待リターンも小さくなりますが。
人それぞれのリスク許容度は異なります。
ご自身にあった投資ができれば問題無いのではないでしょうか?
投資を始める前に知っておいてほしいことを紹介します。
長い目で見れば負ける方が難しい
下記のチャートを見てください。
米国のS&P500のチャートです。
アメリカの主要500社の株価の値動きをあらわしたものであります。
※500社の株価の平均ではありません
このグラフを見て、「投資で負ける方法」を考えて見てください。
おそらく、「損失の拡大の恐れに耐え切れず、短期で売ってしまうこと」となるのではないでしょうか?
2022年の下落からはまだ回復しきっていませんが、それ以前の歴史を見ると、保有して20年間放置していれば、ほとんどの方が勝てました。
2000年に投資を始めた方は15年間ぐらいは、苦しい時期だったかもしれません。
しかし、積立投資をしていたとしたら、株価が安い期間に買いだめできたことになるので、その後のリターンが大きかったのではないかと思います。
投資は、長期間で見れば、勝てる可能性が高くなります。
長期視点で投資をすれば、損失のリスクを大きく減らすことができます。
これからの将来を予測することは難しいですが、世界の人口が増え続ける限り、この傾向は続くのではないかと思います。
そのため、若い人はできるだけ早く投資を始めることをおススメします。
投資詐欺にだまされていると、大きな機会損失を生むことになります。
100円から始められる
投資は、大金を失うかもしれない。
そう信じて、投資を避けているかもしれません。
投資信託であれば、100円から購入できるようになっています。
元手が少ないと、得られるリターンも少ないですが、大金は失わないでしょう。
投資で大金を失う方法は、「何も考えずに、適当に投資商品を選んで、大金をつぎ込む」です。
投資詐欺にあう人の行動と同じことをすれば、大きな損失を被ることができます。
リスクは、自分でコントロールできるので、まずは少額からでも始めてみることをおススメします。
極めれば投資詐欺商品の利回りにも勝てる
「株式投資や投資信託は利回りが低い」といって、高利回りの投資詐欺商品に飛びついて、全額失う人も多そうです。
お金が返ってこなかったら、預貯金の方がマシだったとなるのですが・・
上に書いた、S&P500に連動する投資信託の年利は約10%ぐらいあるそうです。
S&P500に連動するインデックスファンド「SBI・V・S&P500※」に投資した場合の平均的な利回りは、年利10.17%ぐらいが目安です。※旧名称:SBI・バンガード・S&P500
※利回りの根拠は、連動対象であるS&P500指数(円換算ベース)の2003年~2022年のCAGR(年平均成長率)から、想定される運用コストを差し引いて算出した数値です。
(引用:やさしい投資信託の始め方:https://www.toushikiso.com/blog/etc/whats-sp500.html)
高配当株の利回りが5%程度なので、10%はかなり大きい方だと思います。
ウォーレン・バフェット氏は、平均20%の利回りで運用していると言われています。
株で成功した人のユーチューブとかもよく見ますし、極めれば、投資詐欺商品よりも大きな利回りも得られるかもしれません。
短期で見ればもっと大きなリターンが得られる場合があります。
※短期で見れば、大きな損失を被る可能性もあります。
良い例が、ナスダック100指数です。
2021年:+26%
2022年:‐32%
2023年:+36%(8月16日時点)
短期で見れば、大きなリターンを得られる可能性があります。
しかし、2022年のように、短期はリスクが高いです。
多くの方は仕事をされているとおもいますので、働きながら投資の研究は大変だと思います。
そのため、初心者の方は、リスクを押さえながら成長の見込める良い銘柄を選んで、購入もしくは積立設定をして放置が良いと思います。
ちなみに、ナスダック100は、30年間で75倍になったそうです。
リスクの高い投資詐欺の商品を購入しなくても、購入して放置しているだけで、大きなリターンが得られるのではないでしょうか。
(参考:https://media.rakuten-sec.net/articles/-/33449)
初心者が金融商品を選ぶために知っておきたいキーワード
早く投資した方が良いことはわかったし、投資も思ったより手軽に始められそうだとわかったところで、次にくるのは何をどのように買ったらいいのか?だと思います。
具体的に、商品の種類などは、別の記事に書きたいと思います。
その前に、投資を始めるうえで、知っておいてほしいキーワードを整理します。
ドルコスト平均法(積立投資)
投資初心者の方におススメしたいのは、積立投資です。
それは、リスクが抑えられるからです。
金融商品の価格が、直線的に右肩上がりに上がり続けるなら、最初に一括購入した方が利益がおおきくなります。
しかし、実際にはそのような商品はありません。
金融商品の価格は、上がったり下がったりします。
だから、時間の分散をして、定期的に購入していく方が、リスクを抑えることができるのです。
積立投資のメリットとして、ドルコスト平均法という言葉を聞くことが多いとおもいます。
ドルコスト平均法
・例えば毎月1万円分、投資信託を購入したとします。
・投資信託の価格が上昇局面では、1万円で買える口数が減ります
・投資信託の価格が下落局面では、1万円で買える口数が増えます
投資信託の価格が上昇するなら、運用額がプラス方向に増えていきます。
下落局面では、運用額がマイナスになるので、心配になるかもしれません。
しかし、多くの口数が購入できるので、取得金額の平均価格を下げていく効果、次に上昇局面に来たときの資産増加効果の期待が大きくなります。
上にあるS&P500のチャートを見てください。
2000年~2013年まで低迷していますが、その間、積立続けて金融資産を蓄えた人は、現在どれぐらいの価値になっているでしょう?
積立投資は、最終的に売却するときに一番高くなっていることが理想です。
その前提があるなら、購入期間の金融商品の価値は下落している方がメリットがあるのです。
だから、下落局面でも安心していられます。
投資は、メンタルとの勝負の面が強いです。
そのため、メンタル面で安心していられる積立投資をおススメします。
(参考:SBI証券「ドルコスト平均法」:https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_home&cat1=home&cat2=learn&dir=learn&file=home_lecture_fund_14.html)
インデックス投資(分散投資)
良い金融商品とは何?と感じたかもしれません。
良い金融商品とは、運用コストが低く、価値の値上がりが大きくなることが期待できるものです。
リスクを抑えたい初心者の方は、投資信託をおススメします。
投資信託とは、日本株、外国株、債権、金などのコモディティ、不動産などのREIT、など様々な金融商品をパッケージ化した商品で、組み合わせ方で様々な商品があります。
投信信託は、大きく分けて、インデックス投信とアクティブ投信があります。
インデックス投信とは、日経平均やS&P500指数など、各種指数と同じように値動きをする投資信託です。
そのため、インデックス投信に含まれる金融商品は機械的に決められます。
だから、コストが安く運用できます。
対してアクティブ投信は、プロが運用するものです。
プロが運用するから成績が良いのかと思うかもしれませんが、残念ながらそうとはかぎりません。
そして、プロが運用するので、運用コストが高めになります。
アクティブ投信は、インデックス投信のパフォーマンスを上回ることを目指して運用していますが、なかなか難しいようです。
中には魅力的なアクティブ投信もあると思いますが、初心者の方は見極めが難しいと思います。
そのため、インデックス投信をおすすめしています。
そして、インデックス投信の中でも、米国株に連動するものをおすすめしています。
人口動態と経済(成長投資)
米国株をおすすめする理由は、長期でみたとき、株価が右肩上がりで上がってきたからです。
日経平均は、1989年の株価をまだ超えることができていません。
また、日本は少子化で人手不足に苦しんでいますが、少子化は消費者の減少にもつながり、将来的には経済が縮小していくことが予想されます。
中国も少子化に転換しました。
インドは、まだまだ人口が増えるので、成長が期待できますが、新興国なので上下の振れが激しくなるかもしれません。
アメリカは、移民を受け入れているので、人口が増え続けています。
そのため、米国株は今後も成長が期待できると考えています。
S&P500やNASDAQ、米国株全体などに連動する投資信託が良いのではないかと考えています。
NISA
2024年から、NISA制度が新しくなり、使いやすさが各段に増します。
投資を始める方は、NISA口座の開設を忘れないようにしてください。
NISA口座は、配当や売買益にかかる税金20%が免除されます。
NISA口座は、1年間の上限360万円で、総計1,800万円まで購入することができます。
1,800万円で、年5%の利息が付いたとしたとき、毎年90万円の利益があります。
NISA口座でない場合、18万円の税金がとられます。
18万円の差は大きくないですか?
NISA口座は、積極的に売買したい方には向かないと思います。
NISA口座は、利益に対しては税金がかからないメリットがありますが、損失に対しては税金のかかる特定口座の利益と相殺できないなどデメリットの方が大きいからです。
ここでは、投資初心者の方に、積立投資やほったらかし投資をおすすめしているので、NISA口座が最適だと考えています。
NISA口座の開設は忘れないようにしてください。
ほったらかし投資でも良い
初心者のためのシンプルな投資方法について説明してきました。
最初、投資にどのようなイメージを持っていたでしょうか?
この記事で、「めんどくさそう」「むずかしそう」などの思い込みが解消されたらうれしいです。
20年以上投資してきて、感じたことは、結局ほったらかしで十分なんだということです。
しかし、投資はメンタルとの勝負の世界です。
いまだに、私もそれで失敗します。
2022年は、米国株は大きく値下がりしました。
特にFANGなど、大手IT銘柄の株価が大きく下がりました。
それに耐え切れず、売ってS&P500銘柄に乗り換えました。
そしたら、2023年、FANG銘柄が大きく上昇してしまいました。
ものすごく損した気分になりますし、実際、資産額は戻っていません。
乗り換えもせず、現金化してたらもっと損失が大きかったとおもいます。
何もせず、ほったらかしにしていたのが正解でした。
何年投資家してても、売買を繰り返すと失敗することがあります。
だから、思うことは、2,30年後も成長を続けているだろうと思うものに投資して、信じてほったらかしにするのが良いと思います。
もちろん、成長を続けているだろうと思うものの予想が外れることもあるので、定期的なチェックは必要です。
これから投資を始める方の参考になればうれしく思います。
次回は、「投資初心者のための投資商品の選び方」について書きたいと思います。