第3回:投資で失敗しないためにやってはいけないこと

投資を始めることを躊躇している方の、理由は以下のようなものだと思います。
・難しそう
・ギャンブルのような感じ
・逆に損をしそう
など
投資詐欺にあったり、投資で失敗した人の情報の方が目につきやすいので、そのようなイメージがついてしまっているのかもしれません。
危険なものから、敏感に避けようとすることは、正しい防衛本能だと思います。
しかし、「早く投資を始めた方が良い理由」でも述べたように、投資はできるだけ早く取り組んだ方が良いです。
それは、投資を早く始めなかったことによる機会損失が大きくなるかもしれないからです。
投資をすすめると、「絶対に儲かるの?」ときかれます。
必ず「絶対はない」と答えるようにしています。
逆に、「今のうちに投資を始めなくて、絶対大丈夫と言えるの?」と尋ね返します。
「今の仕事を絶対に定年まで続けられるのか?」もわからないと思います。
投資以外も何事もリスクはあります。
買い物に行くことでさえも、事故にあうリスクは常にあります。
事故にあわないようにいろいろ工夫しているはずだと思います。
投資も勉強することによって、リスクを下げることはできます。
投資の勉強まで避けてしまっていると、いつまでたっても投資に対するリスクは高いままになってしまいます。
今回は、投資のリスクを下げるために、「投資でやってはいけないこと」を説明します。
投資で絶対損をしないわけではないですが、大きな失敗は避けることはできるはずです。
投資を始める前に、必ず一読してください。
項目としては、下記のようになります。
・投資と投機と消費を理解する
・投資詐欺を避ける
・大手証券会社以外での投資商品の購入を避ける
・集中投資を避ける
・短期売買を避ける
投資と投機と消費を理解する
まず、投資と投機と消費の違いを認識してください。
そして、特に高額な商品を購入する場合は、どれに該当するか理解した上で購入してください。
投資
使ったお金が、期待以上の価値を生んで返ってくるか?
そして、その可能性が80%以上であると信じられるか?
これらを満たしていないと、投資とは呼べないと考えてください。
1万円に対して、年間で20円ぐらいの利息で十分という方は、預貯金でも投資と呼べるかもしれません。
また、自己投資という考え方もあります。
例えば、習い事にお金を払って、仕事や生活に期待した豊かさが得られるのなら投資と呼べます。
キャリアアップして、収入が増えるなら良い投資だと考えられます。
投機(ギャンブル)
使ったお金が、期待以上の価値を生んで返ってくる。
しかし、その可能性が50%以下。
このような場合は、投機(ギャンブル)です。
良い例が宝くじでしょう。
当たれば、大金が手に入ります。
しかしその可能性は、ほとんどありません。
手元に戻ってくる可能性が低いものを当てにして、人生設計はできませんよね。
運用をして、資産を増やしていこうと計画している人は、投機(ギャンブル)商品を購入してはいけません。
人生設計が狂います。
初心者の方は、投資商品において、上場株、投資信託以外は、投機商品に近いと考えておいてください。
若い方がよく騙されるFXは、ギャンブル性がとても高い商品です。
それで勝ち続けているという人は、100%疑った方が良いでしょう。
もしそのような人がいたとしても、その人だから勝てたわけで、素人にはその人の真似はできません。
消費
使ったお金が、期待以上の価値を生んで返ってこない。
このような場合は、消費といって、お金がただ消えていくお金の使い方です。
ただし、健康のための食事や、今後のビジネスのための交際費、そのためのスーツの購入などは、投資に近いと思います。
例えば、スターバックスで、400円のコーヒーを毎日飲んだ時、1年間で146,000円になります。
これは、投資と消費のどちらでしょうか?
考え方は、人それぞれでしょう。
しかし、146,000円を投資に使った人と消費に使った人では、数年後大きな差が生じてくるでしょう。
スマホの通信費、スマホゲームの課金代なども同様のことがいえます。
確かに、たまに贅沢することは、生活を豊かにするために必要かもしれません。
しかし、ご自身の収入に見合った生活をすることが大切です。
身の丈に合わない支出を繰り返していると、資産はいつまでたってもたまらないでしょう。
貯金すらできていない人は、消費ばかりになっているのかもしれません。
資産を育てていきたいと考えたとき、消費を見直すことはとても重要です。
投資詐欺を避ける
最近、投資詐欺のニュースをよく見る感じがします。
投資詐欺は、絶対に避けなければならないので、強めに書いておきます。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)というキーワードに惹かれ、早急に不労所得を得たいという気持ちにつけこまれてだまされる人が多いのだと思います。
それで資産を失ったら、ますますFIREが遠のきます。
資産運用は、「急がば回れ」が基本です。
上に書いたように、まず、それが投資なのか?投機なのか?、判断する力がもとめられます。
投機だった場合、購入した商品の価値が、5年以内にゼロになる可能性が高いと考えてよいです。
まれにスカイプレミアムという投資詐欺商品のように、寿命の長かった投資詐欺もありますので注意が必要です。
そのため、私は、大手証券会社が販売している金融商品以外を買うことを禁止といっています。
そのように絶対的な自分ルールを決めておけば、投資詐欺にあう可能性をかなり減らせるでしょう。
次に、投資詐欺を疑うポイントについて整理してみたいと思います。
金利が10%以上
投資詐欺の商品は、年利20%以上の実績があるとうたっている場合が多いです。
高配当株と言われている商品も年利5%です。
プロの投資家でも5%ぐらいが目安と言われていますし。
資産をどれだけつくればFIREできるか?の目安となっている年利も4%です。
年利10%以上というと、とても怪しいです。
※大手証券会社で取り扱っている商品は別です。
株なら、企業が業績を上げれば、価値が高まっていくことがイメージできると思います。
では、FXや暗号資産は?
どうなれば資産が増えていくのでしょう?
それが理解できなければ、パチンコや競馬と一緒でしょう。
研究すれば勝てる可能性があるかもしれませんが、ごく一部の人です。
そのような天才があなたに投資商品を持ちかけてくれるなんて、宝くじなみの確率かもしれません。
不動産投資なども勧誘されるかもしれませんが、ローンの支払い、固定資産税、修繕費、空き家対策、自然災害対策など、かなりの勉強が必要なので投資初心者にはお勧めしません。
不動産投資をするなら、初心者の方は、REITを含んだ投資信託を選びましょう。
天才と言われるウォーレン・バフェット氏は、年利20%以上の運用実績があると言われています。
つまり、株式投資でも、年利20%以上は可能といえます。
無理して、回収不能の恐れがある投資詐欺の商品を購入する必要はないでしょう。
大手証券会社が取り扱っていない
金融商品の売買は、金融商品取引法などで、がちがちに規制されています。
それは、投資家を守るための仕組なのです。
大手証券会社は、法律を厳守することを約束しているので、株などの金融商品の売買ができる場を提供できているのです。
投資家を守る仕組みなので、証券会社が倒産しても、個人の金融資産は守られる仕組みになっています。
もちろん、上場企業でも不正会計などのリスクがあります。
しかし、監視の目が多くあるため、チェック機能が働きやすいです。
また、投資の仕方で説明しますが、リスクを減らす方法があります。
投資詐欺の商品は、投資家を守る仕組みの中では販売できないぐらいリスクの高い商品なのです。
だから大手証券会社では、購入することができません。
そのため、投資詐欺にあっても、法律は守ってくれないので、取り返すことはほぼ不可能です。
販売者は「だますつもりはなかった」と言えば許されるようです。
日本の税金を回避して、高利回りを実現するためと説明されるかもしれませんが、逆に怪しすぎる(違法?)と感じなければなりません。
年利20%以上の利回りがあるのに、大手証券会社で取り扱ってもらえないのは、危険な商品だからです。
証券会社で行うFXや暗号資産の取引より危険ということです。
大手証券会社で取り扱わない理由について、投資詐欺商品の勧誘員は以下のような理由を言います。
・大手証券会社みたいに広告費を使わないから利回りを大きくできる。(ネットワークビジネスと同じようなことを言います。)
・大手証券会社で商品の売買をするよりも税金面で有利になる。(その代わり手数料多く取られるます)
どちらも、言い訳としては矛盾が大きいです。
まずは、日本の証券会社の取扱商品の中で、5年連続運用成績1位ぐらいの実績を作ってから言ってほしいですね。
運用状況を誰もチェックしていない
運用状況をホームページで確認できるようになっているところが多いです。
しかし、その運用状況は、本物ですか?
その運用状況が本物なのか、誰もわかりません。
投資している本人は、本物だと言い張りますが、本物だと信頼できる第三者の証明がありません。
運用額に残高があるのに、ぜんぜん出金できなくなるのが投資詐欺の特徴です。
出金できないなら、お金を失ったのと同じです。
残高があるように見せかけられているだけなのに、騙されている人は疑いません。
また、出金の手間も、日本の証券会社以上に不自然なのですが、なぜか疑いません。
騙される人は、おそらく投資の知識が無いからでしょう。
「投資の知識がなくてももうかる」と勧誘されているからでしょうが。
紹介者も運用方法について説明できない
投資詐欺商品の紹介者に、どのように運用しているのか?と尋ねても、「すごい人が運用しているから」任せてて大丈夫と言います。
今は、出金停止になっています。
投資詐欺商品は、きちんと商品説明できない方がほとんどです。
投資の知識があれば、矛盾点を多く感じると思います。
それらを指摘すると、説明をあきらめるようです。
簡単にだまされてくれる投資初心者の方へ行くのでしょう。
金融商品に限らず、どんな商品も高額を支払うならきちんと調べるでしょう?
家や車、家電など、買う前に良く調べたりすると思います。
投資詐欺商品になると、なぜかよくわからない商品に、高額を支払います。
勧誘者が説明する年利に目がくらむのだと思います。
不良品つかまされる人と同じですね。
買う前に、投資詐欺の可能性を含めてよく調べることが必要です。
そして、もっとリスクが低くて、大きなリターンが期待できるものはないか?良く調べてみることが大切です。
その調べるという行為も初心者には難しいと思います。
そのため、大手証券会社の取扱商品に限定することをおすすめしています。
多くのチェックの目が入っているので、投資詐欺商品に当たる可能性を、ほぼゼロにできます。
勧誘する人が、ぜいたくな生活をしている
勧誘する人の多くが、ぜいたくな生活をして、成功者であることをアピールしています。
そして、「同じような成功者になろう」と勧誘します。
多くの投資詐欺が、ポンジスキームという仕組みになっています。
例えば、詐欺師が、年利10%の商品を、100人の方に、100万円ずつ販売したとします。
販売した時点で、詐欺師には1億円が入りますが、10%の利息を払うので、年末には9,000万円が残ります。
もし、これが毎年続けばどうなるでしょう?
詐欺師の手元には、常に大金が残ります。
それで、高級車や高級時計、スイートルームに泊まったりなどぜいたくな生活ができるようになります。
成功するのは、詐欺師だけなのです。
投資詐欺が発覚したころには、詐欺師の贅沢な生活の結果、元金がほとんどなくなっているため、投資家にはお金が返ってこなくなるのです。
だまされた側は、投資したお金を失っただけでなく、きちんと投資していれば増えていたはずのお金まで失う機会損失を被ります。
取り戻すには、大きな時間と労力がかかるでしょう。
一気に取り戻そうと、ギャンブルに走ったら、悪循環に入るので注意してください。
勧誘する人が紹介料を取る仕組み
「同じような成功者を増やしたいから」というなら、テレビCMうてばいいというと、広告費が利回りに影響するからと・・。
「成功者を増やしたいから」というなら手数料無料でやればいいのに、紹介料や手数料を取る仕組みになっている・・
冷静に考えれば、言ってることとやってることに矛盾を感じることが多いのも、投資詐欺の特徴です。
購入への勧誘が激しい
テレビCMはやらないのに、勧誘者の圧が強いです。
勧誘者にとって手数料が大きな収益源だからでしょう。
ネズミ講のようなものです。
投資の利回りでは、稼げないことがよくわかります。
もしくは、元金がすでに無くなっていることに気づいているから必死なのかもしれません。
上で説明したポンジスキームは、毎年一定以上の商品の購入者がいないと、見せかけの利息が支払えません。
販売停止になると、一気に立ち行かなくなります。
そのため、勧誘が激しくなりがちです。
普通に考えてみてください。
あなたが投資で勝てたら、わざわざ手間のかかることをして「成功者を増やしたい」ってことをしますか?
投資に勝てたら、それを元手にFIREするなど、好きなことをすると思うんです。
本当にそう思うなら、高い手数料を取るのはなぜ?
もし、本当に生活に不安の無い人を増やしたいと思うなら、低利でお金を借りて、高利回りの運用をして、利益をみんなに配ればいいんです。
リスクをすべて販売者が負えば良いのです。
それができないのは、高利回りの運用ができないからです。
投資詐欺の人が、わざわざ手間のかかる上に、犯罪として捕まるリスクのあることをするのは、「自分だけが成功者になるため」です。
「今決断できるかが、将来を決める」みたいな、自己啓発セミナーっぽい言い方で勧誘されることもあります。
決断を1か月伸ばしたぐらいでは、それほど影響がありません。
それを逃しても、次にまた新しい商品の発見があるでしょう。
投資詐欺を避けるについて、少し強めに説明しました。
他にやってはいけないことに戻りたいと思います。
大手証券会社以外での投資商品の購入を避ける
投資商品を購入する場合は、大手証券会社に限定してください。
それだけで投資詐欺にあう可能性が大きく減らせます。
紹介料を払う必要もなくなります。
投資での失敗を避けられるわけではありませんが、資産を失う可能性を減らすことができます。
大手証券会社での取引は、さまざまな投資家保護の仕組みがあるからです。
集中投資を避ける
投資の世界には、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。
1つの商品に全額投資した場合、その商品が破綻した場合、全額を失うことになるからです。
だから、リスク分散できるように、複数の商品を持つことが大切です。
リスクを減らそうとすればするほど、期待リターンも少なくなりますので、しっかり考える必要があります。
大切なことは、「リスクの高い商品だけで分散しても意味はない」ということです。
投資詐欺にあう方は、期待リターンばかりに目が行きがちなので、リスクの高い商品ばかり保有しがちです。
破綻する可能性が高い商品しか持っていなかったら、全額失う可能性も高くなります。
例外としては、投資信託です。
投資信託は、その商品自体に複数の商品が含まれているので、リスク分散されています。
ただ、投資信託の中にも業種ごとに集めたものなど、リスクが高くなっているものもあるので、注意が必要です。
別の記事で、商品の選び方などは説明したいと思います。
短期売買を避ける
デイトレーダーになりたいなら別ですが、初心者は短期売買はやめてください。
どんなに良い商品であっても、短期の値動きは読めないからです。
思っていた方向と逆方向に動くということが良くあります。
FX取引が難しいのは、このためです。
資産づくりをするなら、今後成長の期待度が高い商品を複数購入して、長期で保有するということがおススメです。
複利効果も期待できるからです。
2,3年以内は、全体的な相場環境などの影響を受けたりすることもあるため、マイナスになることもあります。
金融資産が減っているときは、メンタルにとても悪いです。
だからといってすぐ売ってしまっては、今度は機会損失が生じる場合があります。
「自分が売ったら、値上がりしていった」と、悔しい思いをすることも良くあります。
だから、多少値下がりしても、数年後には絶対成長しているはずと信じられる商品を保有することが大切です。
マイナスになっても、数年後には必ずプラスになって大きく成長し始めると信じられると、メンタル的にも良いからです。
リスクコントロールは自分で考えよう
「投資は、リスクがあるから怖い」
その認識を持っておくことは大切だと思います。
確かに、危ない投資をすれば、すべて失う可能性があるからです。
しかし、投資の勉強をすればするほど、リスクを低減できることを知ってほしいと思います。
投資のことはわからないからと、人任せにしようとすると、投資詐欺にあう可能性が高まります。
ただ、投資に対するリスクは、ご自身が理解した上で、商品選びすることは大切です。
次回は、「初心者向けのシンプルな投資方法」について説明したいと思います。